※1個の好中球(黄色)が炭疽菌(オレンジ)を呑み込んでいる走査電子顕微鏡写真
(引用:「免疫 - Wikipedia」、2011年7月14日、写真は免疫のイメージです。本文とは直接関係ありません。)今回は「帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)が片頭痛を起こす」という
仮説を前提に記事を書きたいと思います。
「帯状疱疹ウイルスはある意味、人間にとって必要なウイルスともいえる」と前述しました。(
片頭痛の抗ウイルス薬治療)
これは非常に大事なことだと思います。コペルニクス的な発想の転換です。すなわち帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)が片頭痛を起こし、その片頭痛はカラダの疲労過剰への警告だということです。
片頭痛がきたら、カラダがかなり疲れている警告です。大事にしたいものです。
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IT化が進展した昨今、昔とは違った形でカラダとココロに多大なるストレスを、我々は受けています。携帯電話、スマートフォン、各種PC、インターネット、クラウドコンピューティング、ソーシャルネットワークサービス・・・。今や「非常に便利な」サイバー社会・経済が、昔ながらの社会・経済を駆逐しつつあります。
社会・経済における情報量の年々膨大に増加し、かつあまねく市民一人一人に安価に(あるいは無料で)拡散しています。確かに大変便利な世の中になりました。しかし国家もかつての権力を失い、巨大な民間資金がクリック一つで一瞬にして地球規模で移動する。良くも悪くも、権力はインターネットとそれを使う市民に移ったのです。
逆説的ですが、これは私的には想像を絶することでもあります。例えば(大変失礼な表現で恐縮ですが)いまやアフリカや南米の新興国でも(いや最貧国でさえも)多くの市民が携帯電話・インターネットを駆使しつつあります。情報で世界は動き、その情報は安価に(あるいは無料で)限りなく多くの人々に爆発的に拡散しているのです。
そんな「非常に便利な」経済・社会状況ですから、逆説的ですが、人々の脳にかつてないストレス(新種のストレス?)がかかっています。昨今の情報化社会は、人類の脳みそに、逃げ場の無いストレスをかけ、過大な疲労をもたらす。私はそう思う。
ヒトは疲労に対し、免疫細胞などによる免疫力(免疫系)を駆使して、カラダを守ります。しかし疲労が過剰に大きくなると、免疫力だけで対処しきれなくなります。自律神経などの不具合から、免疫力が下がるケースもあるでしょう。また過剰なストレスや疲れなどから、健康な免疫力でも対応しきれないケースもあるでしょう。免疫力・免疫システムも万能ではないのです。
そこで帯状疱疹ウイルス仮説です。免疫力が相対的に低下すると、(免疫力で抑制されていた)休眠中の帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)が目を覚まし、血管まわりで活動を開始します。すると脳の血管が刺激され、片頭痛を起こします。
この片頭痛の対処として、最適なのは「安静」です。安静にして休む、できれば就寝することです。安静状態により、免疫システムが体勢を立て直す余力が生まれ、免疫力が回復します。免疫力が相対的に増強されるとも言えます。そうなれば、免疫細胞等がヘルペスウイルスを駆逐し、押さえ込みます。ヘルペスウイルスはまた休眠状態に戻るのです。
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このような状況(仮説)から、片頭痛への治療方法の一つとして、ヘルペスウイルスをたたく(抑える・殺す)という発想も出てくるでしょう。おそらく間違ってはいません。
しかしもしその方向性も行き過ぎれば、良くないと思う。確かにウイルスを排除すれば、片頭痛(痛み)という警告ランプも光らなくなります。しかし免疫力の低下が起きても、見過ごされます。頭の痛み(片頭痛)という「警告」が発令されず、免疫系の極度の低下が起きても気付かず、結果として、免疫系の崩壊が起きるかもしれません。
つまり例えば、疲れがたまって免疫力が落ちても、片頭痛が無いので、それに気付かない。安静にするなどカラダを休ませないので、どんどん免疫系へのダメージは進む。仮に免疫力が無くなれば、人間は生きていけません。免疫不全で死亡するでしょう。後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)で多くの方々命を落としています。それと同じような状況になるのです。いわゆる「過労死」も増えるでしょう。
ですからヘルペスウイルスによる片頭痛は、我々のカラダを守る「守り神」だと思うのです。大切にしたいものです。
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※写真はイメージです。筆者の体験から、片頭痛になったら、頭痛薬(鎮痛剤)を飲んで、休む。できれば眠る。これがベターな対処方法です。本来は薬は飲まずに、休息や睡眠だけでカラダを癒す(治す)のがベストですが、片頭痛がガンガン痛くては眠れませんから、薬を服用します。
おそらくヘルペスウイルスによる片頭痛には、下記対処方法が良いでしょう。
1. 頭部を冷す。片頭痛の患部を冷す。これでヘルペスウイルスの活動で起きている血管への刺激(攻撃・炎症)をクールダウンさせます。【患部の血管への癒し】
2. 糖分を適切にとる。低血糖状態だと、免疫細胞にエネルギーがわたりにくい。適度な糖分補給で、エネルギーを適切に免疫細胞に行き渡らせ、免疫力の増強を図ります。【免疫細胞へのサポート@】
3. 薬を飲んで寝る。頭痛薬・鎮痛剤(痛み止め)で、片頭痛の痛みをブロックし、痛みを和らげます。そして安静に過ごすのです。できれば就寝・睡眠で、カラダを十分に休ませ、体内の免疫力を回復させます。【免疫細胞へのサポートA】
結局、
免疫力回復がキーです。免疫系がヘルペスウイルスを抑え、片頭痛(痛み)を取り除く。これが治療の王道だと思います。
また逆説的ですが、ヘルペスウイルスの活動で片頭痛(痛み)が起きてくれるおかげで、我々は自分自身の免疫システムがピンチであることを知るのです。パラドックスですが、
片頭痛はカラダを守る守護神だと思います。
※参考資料:「免疫 - Wikipedia」、2011年7月14日
※写真は「写真素材 足成」の素材を利用しています。http://www.ashinari.com/